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コマンドプロンプト


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コマンドプロンプトの概要
WindowsをはじめとするGUI環境が普及し、コマンドラインでコンピュータを操作する機会はめっきり少なくなりました。しかし、トラブル対策で頼りになるのは標準コマンドと、それを使いこなす為の知識です。GUI環境では用意されていないプロトコルの細かな操作環境と詳細な統計情報は、コマンドならではの利点です。

コマンドツールは、GUI環境とは異なり、文字だけで操作し表示するため、初心者には敷居が高く思われています。OSに付属するほとんどのツールがGUI環境で使える現在、コマンドツールを使う機会は少なくなってきています。しかし、コマンドを使う必要が無くなった訳では有りません。例えばネットワーク上でトラブルが発生した場合、pingやtracertコマンド等が活躍します。こういったコマンドは、現在でもコマンドとして実行するしかありません。


■■■ ping ■■■

pingはICMTプロトコルを利用する事でサーバがネットワーク経由の通信に応答できるかどうか確認するコマンドです。pingコマンドを実行すると、実際の通信としては宛先サーバにICMPのエコー要求メッセージを送信し、その応答の有無、応答までの所要時間が結果として表示されます。

【ICMPとは】IPの為のメッセージサービスを提供します。IPはコネクション型のプロトコルの為、パケットの到達生を保証しません。しかし、ICMPプロトコルを使用することによって、障害通知を知らせる事ができます。

pingの場合、echoと呼ばれる形式のICMPメッセージが送信されます。echoとはメッセージを送信した相手がそのままパケットを応答してくる事を期待する形式のメッセージです。ネットワークのトラブルシューティングやネットワーク機器の疎通確認等で現在頻繁に使用されています。コマンドプロンプトでpingと入力してスペースを空けて、echo要求メッセージを送信したい相手のアドレスを入力します。

【例】ping 10.6.18.200
【例】ping weboy.biz

ping 10.6.18.200と入力した場合、応答が返って来ると下記のような画面が表示されます。


C:\Documents and Settings\admin>ping 10.6.18.200

Pinging 10.6.18.200 with 32 bytes of data:

Reply from 10.6.18.200: bytes=32 time<1ms TTL=32
Reply from 10.6.18.200: bytes=32 time<1ms TTL=32
Reply from 10.6.18.200: bytes=32 time<1ms TTL=32
Reply from 10.6.18.200: bytes=32 time<1ms TTL=32

Ping statistics for 10.6.18.200:
Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 0ms, Maximum = 0ms, Average = 0ms




pingコマンドの主なオプション
【-t】Ctrl+cを押すまで繰り返す
【-s】IPアドレスをホスト名に変換する
【-n】送信する回数
【-l】サイズ
【-f】Don't FragmentをONにする
【-i】TTL TTLを設定する
【-v】TOS サービスタイムを設定する
【-w】タイムアウト 応答を待機する時間


【TTL】Time to Live
最大255までの整数値で表すパケットの有効期限です。ルータ等を1回経由される度に値が1減少します。TTLが0になるとパケットは廃棄され廃棄通知がパケットの送信元に届くようになっています。



■■■ arp ■■■

arpはIPの通信で使われるIPアドレスをEthernetの通信で使われるMACアドレスに変換するためのプロトコルです。TCP/IPの4階層モデルで言うとデータリンク層(Ethernet)とネットワーク層(IP)の橋渡しをするのが役割です。arpで問い合わせた内容を記録しておくメモリの事をarpテーブルと言い、arpコマンドはarpその物を操作するのではなく、arpテーブルを表示したり編集したりする為のコマンドです。
実際の通信を行う際にはデータリンクでフレームを作成するが、フレームには送信元MACアドレスと送信先MACアドレスが必要です。送信元MACアドレスは、自分自身の事なので簡単に情報を取得できるが送信先MACアドレスは相手の情報なので、そこで使用するコマンドが【arp】コマンドです。arpはIPアドレスからMACアドレスを取得する機能を持っています。arpはMACアドレスを取得する際にブロードキャストを使用する事で、MACアドレスを取得します。

arpの機能と逆に機能するのをrarpと言い、MACアドレスからIPアドレスを取得します。この機能は、rarpサーバと言うIPアドレスとMACアドレスの関連を管理するサーバが必要です。

【例】arp -a

C:\Users\admin>arp -a

インターフェイス: 10.6.18.15 --- 0x9
インターネット アドレス 物理アドレス 種類
10.6.18.12 34-7c-25-92-da-c7 動的
10.6.18.100 78-84-3c-66-ae-ad 動的
10.6.18.202 0c-84-dc-c4-77-91 動的
10.6.18.254 cc-1a-fa-b6-24-a8 動的
10.6.18.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff 静的
224.0.0.22 01-00-5e-00-00-16 静的
224.0.0.251 01-00-5e-00-00-fb 静的
224.0.0.252 01-00-5e-00-00-fc 静的
239.255.255.250 01-00-5e-7f-ff-fa 静的
239.255.255.253 01-00-5e-7f-ff-fd 静的
255.255.255.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff 静的

■■■ ipconfig ■■■

ipconfigコマンドは、主にホストのネットワーク設定の確認に利用されます。特に【/all】オプションを使う事によってLANカード毎の設定情報をチェックできます。その一方でDHCPの操作が行えるコマンドとしての側面もあります。

【例】ipconfig /all
【例】ipconfig /renew

ipconfig /allと入力した場合の例です。
C:\Documents and Settings\hoge>ipconfig /all

Windows IP Configuration

Host Name . . . . . . . . . . . . : blast
Primary Dns Suffix . . . . . . . :
Node Type . . . . . . . . . . . . : Unknown
IP Routing Enabled. . . . . . . . : No
WINS Proxy Enabled. . . . . . . . : No

Ethernet adapter ローカル エリア接続:

Connection-specific DNS Suffix . :
Description . . . . . . . . . . . : Marvell Yukon 88E8056 PCI-E Gigabit
Ethernet Controller
Physical Address. . . . . . . . . : 00-1D-60-00-A9-34
Dhcp Enabled. . . . . . . . . . . : Yes
Autoconfiguration Enabled . . . . : Yes
IP Address. . . . . . . . . . . . : 10.6.18.38
Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.255.0
Default Gateway . . . . . . . . . : 10.6.18.254
DHCP Server . . . . . . . . . . . : 10.6.18.254
DNS Servers . . . . . . . . . . . : 10.6.18.254
Lease Obtained. . . . . . . . . . : 2008年4月26日 8:55:53
Lease Expires . . . . . . . . . . : 2008年4月27日 8:55:53



ipconfigコマンドの主なオプション
【/all】 総てのパラメータを表示
【/renew】 DHCPを使ってIPアドレスの再割り当てを行う
【/release】 IPアドレスの開放
【/displaydns】 DNSリゾルバキャッシュの表示
【/flushdns】 DNSリゾルバキャッシュの消去

■■■ tracert ■■■

tracert(trace route)は、pingコマンドと同様にICMPのechoメッセージを使って、宛先ホストまでの経路を検索するコマンドです。経路を検索するのと同時に経由するルータの応答時間も解り、大域幅を推測したり障害解決の時にも使います。tracertコマンドではechoメッセージをpingコマンドとは別の使い方をする事で、宛先ホストまでの経路を検索する目的を達成しています。


tracertコマンドの主なオプション
【-d】IPアドレスをホスト名に変換しない.
【-h】宛先ホストまでの最大ホップ数
【-j】中継すべきルータを指定する
【-w】タイムアウト


■■■ route ■■■

ホストはネットワークインターフェースを一つしか持っていないとは限りません。複数のポートが有った時、どのパケットをどのポートから送り出すかを指定しないとうまく通信が出来なくなります。その指定をする為のコマンドがrouteコマンドです。routeコマンドはルーティングテーブルを表示するだけではなく、新しいルートを追加したり不要なルートを削除したりする事ができます。
【例】route print


routeコマンドの主なオプション
【print】ルーティングテーブルの表示
【add】ルートの追加
【delete】ルートの削除
【change】ルートの変更
【-p】再起動しても削除されないルート
【-f】ルーティングテーブルから総てのゲートウェイエントリを表示


■■■ netstat ■■■

TCP/IPベースのネットワークの診断にはnetstatコマンドを使います。このコマンドはホストのネットワーク機能の状態を表示するための物です。EthernetやIP、TCP等のパケットのエラーや流用を調べたり、現在の接続状態を調べたりする事が出来ます。

【例】webブラウザ等でwebサイトにアクセスして、その後コマンドプロンプトでnetstatと入力します。アクセスしたwebサーバの名前が表示します。項目は左から【プロトコル名】【ローカルアドレス】【接続アドレス】【状態】を示します。

netstatコマンドの主なオプション
【-a】すべての接続とリッスン ポートを表示します。
【-n】アドレスとポート番号を数値形式で表示します。
【-e】イーサネットの統計を表示します。これは、-s オプションと併用できます。
【-p proto】proto で指定されたプロトコルの接続を表示します。; proto は次のいずれかです: TCP、 UDP、TCPv6、または UDPv6。プロトコルごとの統計を表示するため、-s オプションと併用する場合、proto は次のいずれかです: IP、IPv6、ICMP、ICMPv6、TCP、TCPv6、UDP またはUDPv6。
【-s】プロトコルごとの統計を表示します。既定では、IP、IPv6、ICMP、ICMPv6、TCP、TCPv6、UDP および UDPv6 の統計が表示されます。
【-r】ルーティング テーブルを表示します。
【interval】各表示で interval 秒間一時停止しながら、選択した統計を再表示します。統計の再表示を停止するには、CTRL+C を押してください。interval が省略された場合、現在の構成情報を一度だけ表示します。

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